小説を読むことのメリットとは?小説の選び方・ビジネス書や自己啓発本との違いも紹介

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やまもも

こんにちは! フリーランスライター/エディターの、やまももです。
突然ですが、みなさんは小説を読みますか?

読書をすると頭がよくなる」「仕事の知識やノウハウは本から学ぼう

そんなフレーズを、私たちは日々どこからともなく耳にしますよね。

「読書術」に関する本が大量に出版されていることからも、多くの人が「できるだけたくさんの良書を読みたい!」と考えているのだと思います。

そんな私が今回お伝えしたいのが、「たまには小説も読んでみるといいですよ」というお話です。

小説なんて、時間の無駄じゃない? むしろ、読むなら実用的な本のほうが役に立つのでは?

やまもも

もちろん、実用書にも魅力があります。成長に貪欲な人は、実用書の読書量も多いはず。
でも、小説だからこそ得られるものもあるので、今回はそのポイントをお伝えしたいです。

この記事は、こんな人に読んでほしい!
  • 小説よりも、ビジネス書や実用書を読むほうが成長できると思う
  • 普段読むものは自己啓発本が中心
  • おすすめの小説の選び方がわからない

さっそく進めていきますね。

目次

ビジネス書・自己啓発本ばかりを読むことの落とし穴

本を手に持つ男性の画像

ビジネス書・自己啓発本ってなに?【実用書との違いも】

小説の魅力を語るにあたり、まずは別ジャンルに属する「ビジネス書」や「自己啓発本」とは何かを説明します。それを頭に入れておいていただけると、小説で得られるものについて、よりイメージしやすいかと思います。

ビジネス書・自己啓発本・実用書は、同じようなくくりで語られることが多い本のジャンルです。

それぞれの違いについて簡単にまとめてみると…

  • ビジネス書:ビジネス(仕事)に役立つ知識・技術・ノウハウなどが書かれた本
  • 自己啓発本:人間の能力向上や成功のための心構えについて書かれた本
  • 実用書:日常生活で役立つための技能・知識・情報などが書かれた本

と区別すると、わかりやすいかなと思います。

ただし、上記分類は法律などで厳密に定められたものではないので、あくまでも参考としてとらえてください。
※「実用書」という大きなくくりの中に、ビジネス書や自己啓発本まで含めて語られる場合もあります。

実用的な本は、課題や悩みに対する答えをわかりやすく提示する

ビジネス書や自己啓発本の最大の特徴は、「人が抱える悩みや課題に対する答えを、わかりやすく指し示してくれる本」だということ。

ここでいう「悩み」や「課題」は、いろいろなものが想定されます。
たとえば…

  • 自分が働く業界の専門知識・技術を身につけたい!
  • 時間を有意義に使うためのセルフマネジメントができるようになりたい!
  • 副業で稼ぐための種類と方法を知りたい!
  • メンタルを強くしたい!
  • 文章を上達させたい!

など。

ビジネス書や自己啓発本は、このような悩みや課題に対して、著者の知見やさまざまなデータ・研究結果などをもとに、ピンポイントで解決策や考え方を提示してくれます。

タイトルもズバリ、『△日で〇〇ができるようになる方法』だとか『仕事がデキる人の◇◇術』みたいな感じのものが多いです。仕事にプライベートに、悩める人の心を救ってくれるのが、こういった類の本です。

実用的な本ばかりを読むと、自分の頭で考えることが減るかもしれない

やまもも

私自身、実用的な本は仕事の知識習得や、モチベーションアップの目的などで読むことがあります。ただ、実用書ばかりを読むことには、ひとつ落とし穴が。

実用的な本を読み漁ることの落とし穴とは、「自分の頭で考え、最適な答えを出す機会が減ることです。

本来、人生の答えはそんなに簡単に出るものではありませんよね。
そして、自分の生き方を誰かに導いてもらおうとすると、逆に自分を苦しめることにつながる場合も。

置かれている状況や立場、価値観は一人ひとりまったく異なります。だからこそ、本来「人生どう生きるべきか」は自分で考えることが大切。

それが大前提にあってこそ、ビジネス書や自己啓発本を参考にしつつ、自分にとってベストな考え方や行動の選択肢を見つけ出せるのだと思います。

もちろん、ビジネス書や自己啓発本の存在そのものを否定するわけではありません。

7つの習慣』『人を動かす』のような、人がまっとうに生きるための本質を伝え、何十年と世界中で読み続けられている実用書の名著は、各界のリーダーや成功者も愛読していますね。

新しいスキル・知識を習得するために有益なビジネス書も数多くあります。

しかし、最近は実用書ブームの流れもあって、言葉は悪いですが、内容が浅い、薄っぺらい実用書「風」の本が出回っているなと感じます。

そんな本が次々と出版される仕組み自体が問題かもしれませんが…。いまは電子書籍で一般の人が気軽に本を売り出せるようになっていますし、ある程度は仕方ないでしょう。

ただ、実用書「風」の本では、本質が書かれた本の上辺をなぞって、表面的なテクニックの記載に終始しているものが散見されます。

なかには、そのテクニックすら、適当に書かれているんじゃないかと思うものも…。

ただ「実用的な本を読む=デキる人」といったイメージからか、SNSではビジネス本・自己啓発本を大量に読んでいることをアピールする人もよく見かけます。

実用的な本は、読めば簡単に答えが見つかったような気がしますし、気持ちよくなりやすいのはよくわかります。

ですが、当然ながら自分の頭で物事の本質を掴み、考えて行動しなければ何も変わりません。

薄っぺらいビジネス書・自己啓発本を次々と読み漁ることに満足して、「ノウハウコレクター」や「デキるビジネスパーソン風」になってしまうのが、ビジネス書や自己啓発本にハマることの恐ろしさだと、私は考えています。

小説を読むべき理由5つ【得られるメリット・重要性】

手に本を乗せた画像

なるほど。本質的でない、内容の薄い本を読み漁ってるだけじゃ仕方ないってことね。
だからといって、小説は別に読まなくてもいいんじゃない?

やまもも

いえ、小説には小説ならではのメリットがあるんです。
ここからは、小説を読むことで何が得られるのかや、小説を読むべき理由について解説していきます。

①:読解力がアップする

子どものころ、学校などで「国語がすべての勉強の基本」と言われたことはありませんか?
(『ドラゴン桜』のドラマでも、桜木先生が言ってました…笑)

筆者の私自身、この言葉は昔から印象に残っています。大人になってからも、実際そう感じることは何度もありました。
国語の勉強で身につけた読解力は、どんな仕事をするにしても役立つスキルだと実感しています。

読解力とは、つまり「文章の意味を正しくとらえる能力」のこと。
大人になってからも、資料やメール文書などを読み込まなくてはならない場面はたくさんありますから、読解力は重要なスキルです。

また、この能力は、文章のやりとりだけではなく「会話」でも役立ちます。
相手が発する言葉の意図を的確にとらえやすくなるからです。これができると、プライベートでも仕事でも人間関係をうまく回しやすくなります。

では、なぜ小説を読むと読解力が上がるのか。それは小説のもつ「想像性」にあると考えられます。

どういう意味でしょうか?

小説を読んでいると、ストーリーを追いながら登場人物の心情を考えることになりますね。
「この人物は、どうしてこういう行動をとったのか」「この人物は、なぜこんな言葉を発したのか」など。

もちろん、登場人物の想いや行動の一つひとつについて、いちいち立ち止まって深く考える人は、あまり多くないでしょう。小説はストーリーが練りに練られており、話の進行そのものが自然に読者の想像をアシストしてくれるからです。

ただし、小説は実用書のように、わかりやすく問題と答えが明示されていないものが多いです。小説家はテーマをもってストーリーを構成していきますが、それをどういう風に読み解くのかは、最終的には読者に委ねられています。

私は、その「想像の過程」で読解力が身につくのだと思います。

よく、言葉にされない意図や意味合いをくみ取ることを「行間を読む」と言いますが、行間を読む力も、こういった想像をする訓練によって身につくものです。

実用書のように、問題と答えを端的にわかりやすく伝えてくれるのは非常にありがたいですが、そこには読者が自由にイメージを膨らませて、自由に解釈する余白はほとんどありません。

そのため、どうしても想像力を要する読解力は身につきにくいです。

②:自分で答えを見つける力が向上する

次に挙げられるのは、自分で答えを見つける力が向上するというメリットです。

大人が生きる社会では、常に誰かに答えを教えてもらえるとは限りません。

仕事でも、プライベートでも、いろいろな問題に直面し、自分で物事を解決させなければならないシーンは毎日のようにありますよね。

小説を読むと、そんなときに役立つ自分で答えを見つける力が少しずつ身につくと考えています。

1つ前の項目で紹介した通り、小説の場合、実用書のように答えがわかりやすく書かれていません。
そのため、読者自身でそこに何が書かれているのか、何を伝えようとしているのかを読み解く必要があります。

そういった脳の訓練を積む中で、少しずつ答えのない物事に立ち向かっていく力も養われるのではないかと思うのです。

③:教養が身につき、さまざまな物事を知るきっかけになる

小説を読むメリットの3つめは、教養が身について、さまざまな物事を知るきっかけになることです。

小説で描かれる舞台は現代の日本のこともあれば、何十年~何百年も過去の日本、あるいは行ったこともない海外の国、異世界、近未来など多種多様。

登場人物の職業も、警察官や銀行員、あるいはマフィアに船乗り、ホームレス、平凡なサラリーマンや主婦など、挙げれば数えきれないほどです。

映画やテレビドラマもそうですが、物語性のある作品のシナリオを書くとき、作者はそのテーマに関する膨大なリサーチや取材をしています。

作品の裏にある膨大な情報によって内容に深みが出て、読者はストーリーにグッと引き込まれます。

練りこまれた物語に触れるなかで、日常生活では知りもしなかった世界の姿を知れたり、特殊な職業の内情を知ったりできるのも小説の魅力。

やまもも

雑学が増え、自分の興味関心の幅が広がると、毎日をより豊かに過ごせると思います。
ちなみに私は小説がきっかけで、どこかの土地を訪れてみたり、新たな趣味ができたりしたことも!

④:文章力(ライティングスキル)がアップする

小説の世界は自由で、作家さんごとに個性があります。

そのため、いろいろな作品を読んでいくうちに、自然とたくさんの語彙や表現に触れることになります。

「語彙力を身につけたい」と思ったときに、わざわざ単語帳のようなものを使って覚えるのは大変。しかし、小説であれば物語を追いながら自然に身につきます。

また、小説には日常生活ではあまり使わない言葉もしばしば出てきます。

使える言葉の選択肢が増えることは、自分で文章を書くときにも役立ちます。そして文章を読むのに慣れると、「書く技術」もつられて向上していきやすいです。

ライティングスキルは、「文章を書くことそのもの」を生業にする人以外にとっても役立ちますし、人生を豊かにする助けになると考えています。

⑤:共感力が身につく

小説を読むことのメリット、最後のポイントは「共感力」が磨かれることです。

小説による共感力アップの話題については、昔から海外でも多数の研究発表がなされています。一例を挙げます。

神経科学分野の研究によって、架空の出来事の記述を読んだ時と、その出来事が実際に自分の身に起こった場合とで、脳の同じ部位が反応することが明らかにされたのです。(中略)文学作品に描かれる感情の葛藤や道徳的ジレンマは、脳にとっては激しい「エクササイズ」のようなもので、私たちを架空の登場人物の内面に入り込ませてくれます。そのうえ、現実世界での共感力を高める効果もあると、研究結果は示しています。

引用:フィクションが人生の役に立つ4つの理由

このほかにも、海外の論文や文献では、似たような研究結果がいろいろと見つかります。

メリットの1つめで挙げた通り、小説(フィクションの世界)では、読者はストーリーを追いながら、いろいろなことを想像します。
小説の世界に没頭すると、自分が登場人物の気持ちに共感/反発したり、その世界に入り込んだような気持ちになることも。

このような読書体験によって共感力が身につくという話は、不思議ではありません。

余談になりますが、これは完全な私個人の経験に基づく意見なのですが、これまでの人生で出会った「なんだか話しやすいな」「優しいな」と感じる人って、のちのち聞いてみると小説が好きだという人が圧倒的に多かったです。

おそらく、小説をたくさん読んでいくなかで他者の気持ちや心情をくみ取る力が身についていき、他者への共感が上手だったりで、コミュニケーションしやすいのではないかなと勝手に思っています。

やまもも

個人的な考えですが。でも、共感力が高い人と話していると「心地よいな」と感じる人は多いのではないかなと思います。

小説の選び方(あまり読まない人向け)

書店のディスプレイ画像

ここまで小説を読むことのメリットや重要性をお伝えしましたが、こんな風に思う人もいるのではないでしょうか。

小説にもちょっと興味は湧いてるけど、正直いろいろあり過ぎて選べない。どんな小説を読めばいいのか…。

その気持ち、とてもよくわかります。
書店に行けば続々と出る新刊が平積みされて目移りしますし、国語の教科書で出てきたような近代の純文学は、ちょっと敷居が高いと感じる人もいるはずです。

ひとことで言えば、「好きな小説を選ぶ」やり方でまったく問題ないと考えます。

あえて難解な小説に手を出して読書を楽しめないよりも、まずは本に興味をもち、読書習慣を身につけるほうが、よほどプラスになるでしょう。

近代純文学に比べたら現代の大衆文学のほうが圧倒的に読みやすいので、最初はそこから入っていくのがおすすめ。有名な賞でいうと「直木賞」、また「本屋大賞」に選ばれる作品は一般的に読みやすいですね。

そして自分が関心のあるテーマを扱った小説であれば、話が頭に入りやすいかと。「旅」でも「刑事モノ」でも「ホラー」でも、世の中のたいていのテーマはすでに小説として扱われています。

ネットで「〇〇(関心のあるテーマ・ジャンル) 小説」みたいな感じで検索してみるといいですよ。

ただ、分厚い長編小説は慣れるまではおすすめしません。途中で挫折しがちだからです。とくに忙しい人がスキマ時間に読むのはハードル高めです。

小説に日々触れていると読むことに慣れるので、そこから長めのものに手を出すのがおすすめです。

個人的には、最初は以下のようなポイントで選ぶといいかなと。

  • 現代の大衆文学(「本屋大賞」に選出された作品など)
  • 自分にとって関心のあるテーマを扱った作品
  • 短編小説(1冊にいくつかの物語が収録されており、1話が短いもの)
  • タイトルや表紙などを見たときのフィーリング
やまもも

ちなみに私は、本はネットとリアル書店の両方で買います。紙の本が大好きですが、最近では電子書籍(kindle)で読むことも多くなりました。

それぞれの違いや魅力などについては、また別の記事で書いていけたらなと思っています。

まとめ:小説にもメリットはたくさん。想像力と共感力を得て人生を豊かに

読書している女性の画像

今回の話をまとめます。

  • ビジネス書や自己啓発本は、問題に対する答えをわかりやすく提示してくれる
  • 内容の薄っぺらい実用本が増えている(ハマり過ぎないように注意)
  • 小説を読むと読解力や共感力、自分で考える力、ライティングスキルなどが身につきやすい
  • 小説を通してさまざまな世界を知り、教養も深められる
  • 自分が面白いと感じられる小説を読み、読書習慣をつけよう!

最初のほうにも書きましたが、私自身もビジネス書や自己啓発本はよく読みます。

ですが、そっちに偏り過ぎていると気づいたら、あえて小説に手を伸ばします。小説を読んでいるとイマジネーションが広がり、自分の心がなんとなくほっこりと、豊かになる感覚があるんですよね

私は、「実用的な本」と「小説」とでは、読書時に活発に動く頭の部分がちょっと違うんじゃないかなと感じています。

小説は人の気持ちを想像して共感したり、自分の視野を広げたりするのにうってつけ。
普段はビジネス書や自己啓発本ばかりという人も、ぜひたまには小説にも手を伸ばしてみていただければと思います。

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