「自分は話がうまくない」「口下手だから初対面の人と話すのが苦手…」
そんなふうに悩んでいる人は、意外と多いのではないでしょうか。
自分の「本当の思い」を他人に伝えることは、シンプルなようでいて、実はとても難しいですよね。
でも、仕事でもプライベートでも、自分の思いを相手に正しく伝えなくてはならない場面は多々あります。
そこで、この記事では「口下手を克服できたら…」「上手に気持ちを伝えられるようになりたい!」と悩む人におすすめの本を5冊紹介します。
- 口下手を直すための助けになる本を探している
- 「伝える力」を磨きたい
- 自分自身の本当の気持ちと向き合いたい
このような人に参考にしていただければ幸いです。
口下手の改善・克服におすすめの本5選
口下手の改善・克服におすすめの本は、以下の5冊です。
- 『博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』
- 『口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全』
- 『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
- 『「言葉にできる」は武器になる。』
- 『「言いづらいこと」を、サラリと伝える技術』
これら5冊の本を通して、心で感じていること、思っていることを上手に言葉にするための方法を知ることができます。
単なる「お喋り上手」を目指すのではなく、モヤモヤとした頭の中を整理する方法や、意思を正確に相手に伝えるコツなども学べます。
では、これらの本の特徴について詳しく解説していきます!
①『博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』
ひきたよしあき著『博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』をご紹介します。
本書の特徴は、土日を除いた1週間(つまりは5日間)という短期間で、言葉を「思いつく」「まとめる」「伝える」25のメソッドを集中的に学べること。
1日ずつ「頭の中を整理する→考える→論理的に発想する→表現力を磨く→言葉に説得力を持たせる」のトレーニングを段階的に行うことで、“思いを言葉にする力”を育てることができます。
多くの人にとって、自分が言いたいことを、いきなり明快な言葉にするのは難しいものだと思います。
ただ、思いを言葉にしていくトレーニングを積み重ねれば、徐々に上達することがわかります。
さらに、本書では以下のようなポイントも詳しく紹介されています。
- ボキャブラリーを増やす方法
- 予期せぬ質問にも慌てず答える方法
- 頭の中に情景が思い浮かぶような話の組み立て方
ぜひ、定着するまで繰り返しトレーニングに励んでみてください。
話をまとめるのが苦手で何を言いたいのかわからなくなってしまう人
②『口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全』
青木源太著『口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全』をご紹介します。
著者の青木源太さんは、1983年生まれ、元・日本テレビのアナウンサー。
現在はフリーになり、引き続きアナウンサーとして活躍されています。
情報を整理したうえで、正しく、端的に、わかりやすく伝える力を持ちあわせているプロの立場から、話し方のコツを丁寧に教えてくれる一冊です。
本書の構成は以下の通り。
- PART1「口ベタな人でも伝わる会話の磨き方」
- PART2「会話がどんどん弾む話の聞き方」
- PART3「1対1で距離を縮める言葉の伝え方」
- PART4「大人数で会話が弾む盛り上げ方」
- PART5「相手が驚くほど納得するプレゼン術」
- PART6「どの相手にも緊張しない会話の準備」
紹介されているコツは、全部で87つと豊富。
ただし、一つひとつのコツは2~3ページ程度なので、気になるところからでもサクッと読み進めやすいです。
「会話」といっても、1対1で会話をするのと、会議など大人数の中で発言するのと、プレゼンテーションでは、気を付けるべき伝え方のポイントは異なるものです。
本書では、仕事からプライベートまで、多様な状況・相手に合わせた会話の準備方法や心構え、相手との距離感を縮める言葉の使い方などについて、ひと通り知ることができます。
また、PART2では「聞き方」についての解説も。
会話をきちんと成り立たせるためには「聞く力」も大事。
そんなことにも改めて気づかせてくれます。
また、合間合間で、青木さんがこれまでに出会った「話し方が上手な人」に関するコラムも差し込まれています。
先輩アナウンサーだけでなくタレントさんとの思い出も紹介されており、こちらも興味深いです。
さまざまな状況や相手に合う話し方のコツを学びたい人
③『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
藤吉豊・小川真理子著『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』をご紹介します。
本書の内容は、タイトルの通り「『話し方』に関する100冊に書かれているポイントが、この1冊で簡単に押さえられる!」というもの。
具体的には、100冊それぞれに書かれている内容(テーマ)について洗い出し、集計。
多いものから順番に、1位から40位までのランキング形式で紹介されています。
「話し方」に関する本はたくさん出版されていますが、よく見ていくと、似たようなことが語られているケースもしばしばです。
何冊もの本を読まずとも、「話し方」の大事なポイントについてひと通り押さえられるのがこの本の魅力。
なお、本書によれば、「話し方」のポイントのランキング上位はこんな感じになっています。
- 1位:会話は「相手」を中心に
- 2位:「伝える順番」が「伝わり方」を決める
- 3位:話し方にメリハリをつける
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ランキング上位(=多くの本で紹介されている内容)ほど汎用性があり、さまざまな場面で使いやすいともいえるでしょう。
各ポイントには解説がついています。
まずは目次をざっと眺めてみて、気になるポイントやランキング上位の内容について少しずつ学んでいく使い方もしやすくなっています。
いろいろな本に書かれている「話し方」の要点・ポイントをザっと掴みたい人
④『「言葉にできる」は武器になる。』
梅田悟司著『「言葉にできる」は武器になる。』をご紹介します。
著者の梅田さんは、かつて大手広告代理店・電通にて、マーケティングプランナーやコピーライターとして活躍されてきた方。
しかし、こちらは単なる文章術やコピーライティングのテクニック本ではありません。
「人にきちんと思いを伝えるために、どんな心構えや考え方を持てばいいのか」から、じっくりと考えなおすことができる一冊です。
本書の核となるテーマは、「外(他者)に向けて発する言葉を磨くためには、まず自分自身の感情・思考・意見としっかり向き合うことが必要」だということ。
その理由を、梅田さんはこのように語ります。
「言葉は思考の上澄みに過ぎない」
梅田悟司『言葉にできるは武器になる』日本経済新聞出版社, 2016年, p5
ここで言われていることを簡単にまとめると…
話上手になりたいからといって、小手先の「テクニック」や「型」を学んだとしても、それをマネして出した言葉は、非常に薄っぺらい、軽いものになってしまう。
また、テクニックや型だけでは、さまざまなシーンに応用するのにも限界がある。
ということです。
では、どうすれば本当に伝わる言葉を生み出せるのでしょうか?
まず大事になるのは、自分の感情や思考(本書では「内なる言葉」と書かれています)を深め、広げていくこと。
そこに着目し、意識することが先決だと、梅田さんは言います。
そもそも自分自身の気持ちがハッキリしていない、何を伝えたいのかが明確になっていない状態では、本当に伝わる言葉にはならないですよね。
私たちは、つい「上手な言葉を使わなきゃ」などと考えてしまいがちですが、そもそも自分自身の感情や思考と向き合うことがどれだけ大事か、改めて考えるきっかけになる一冊です。
ちなみに、本書で明かされていますが、梅田さんはもともとバリバリの理系で、本もほとんど読んでこなかったそう。
そのような方が「コピーライター」という人々の心に訴えかける言葉を生み出す職を経験して感じたこと、考えてきたことに触れられるという点でも興味深いです。
自分の心ときちんと向き合った上で言葉にする方法を学んでいきたい人
⑤『「言いづらいこと」を、サラリと伝える技術』
稲垣陽子著『「言いづらいこと」を、サラリと伝える技術―――ハッキリ言っても嫌われない! 人間関係がうまくいく!』をご紹介します。
本書は、主に職場(仕事)の人間関係において、言いづらいことをきちんと言いながら、良好な人間関係を保つためのコツについて解説されています。
プライベートの親しい関係とは異なり、職場では上司・部下・同僚や取引先など、“大人の距離”をきちんと保ちながらやり取りしなくてはならない場面が多々ありますよね。
言いたいことを言えないままストレスをため込んでしまったり、逆に思ったことを言ったら関係がギクシャクしてしまったり…。
実際には、難しいことも多いですね。
そんな悩みの解決に役立つ一冊です。
本書の著者・稲垣陽子さんは、20年にわたってクライアント組織の中に入り、コミュニケーション力向上やリーダー育成のためのコーチをしてきた方。
多くのビジネスパーソンと関わる中で実感したコミュニケーションに関するリアルな悩み・課題をもとに、「言いづらいこと」をうまく伝えつつ、トラブルを起こさず、お互いに良い関係を築くための考え方について学べます。
たとえば、第4章で紹介されている【「言いづらいこと」を言う6つのステップ】では、以下の各ステップについて、具体的な方法が示されています。
①信頼関係を築く⇒②観察する⇒③周りを巻き込む⇒④決める⇒⑤本番(伝える)⇒⑥フォローアップ
言いづらいことほど言うのに躊躇してしまい、結局、話を曖昧なままにしてしまった経験、皆さんもありませんか?
ここで紹介されている6つのステップを意識すれば、相手との関係を悪くしないように最大限配慮しながら、言わなくてはならないことをきちんと言う。そんな状態に近づけるはずです。
さらに、第5章では「言いづらいこと」を言わなくてはならないときに役立つフレーズ集が掲載。
「このフレーズがどんなシーンで使えるか?」まで丁寧に紹介されているので、仕事からプライベートまで、きっと役立つときがあるでしょう。
職場や仕事関連の場で出会う人とのコミュニケーションを上達させたい人
まとめ:「口下手」は改善できる!まずは知識の習得→実践を繰り返そう
今回は「口下手」の改善に役立つ本を5冊紹介しました。
誰もがおしゃべり上手になる必要はないでしょうが、仕事でもプライベートでも良い人間関係を築いていくためには、「自分の気持ちをしっかりと伝える力」が欠かせません。
ここで紹介した本を読む中でも、「伝える力」を高めるには、まず正しい知識をインプットして、どんどん実践していくことが大切なのだなと実感いただけると思います。
気になる本があったら、ぜひ目を通してみてください。